面が出来るまで

面が出来るまで
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伝統の技

研鑽創意工夫是日々也

 

尾州檜の角材から、仕上げまでの一連の流れをお愉しみ下さい。

 

彫刻・彩色・金属の打ち出し・髪結い・漆塗り等、全ての工程を一人の手作業で行い、こだわりを凝縮して制作しております。

 

 

彫刻道具の一部です。大・小様々な刃物の柄を作ったり、刃先を使い易い形や角度に研ぎ合わせたりして使いやすくなるように加工します。

 

 

様々な荒さの天然・人工の砥石を使い、刃物を研ぎます。全て形状が異なる刃物ですので、経験と技術は必須ながらも、自分の身体や心で合わせていく「スポーツ感覚」も必要です。

 

 

例えば、包丁が研げなければ日々のスムーズな調理は出来ません。同じく彫刻刀や鑿の研ぎも、面打前の心を研ぎすませる大事な工程です。刃物の研ぎだけでも非常に面白く、奥深い作業です。

 

 

伝統という「血」を受け継ぐ能面には、「型と様式」があります。輪郭・縦の湾曲線を用いて、最低限必要な立体を彫刻刀で造形します。

 

 

能面には概ね、縦七寸・横五寸程の上質な尾州檜材を用います。高価な材料ではありますが、程良い硬さがあって非常に彫りやすい最適な木材です。また、香りも抜群に良いので、作業中は素敵な香りに包まれます。

 

 

各種類の面に添った輪郭を、鋸や鑿で大胆かつ慎重に切り出します。

 

 

輪郭を切り終え、面の土台が出来ました。輪郭の中に存在する「心ある表情」をイメージ出来ているか否かで、その後の作業は大きく異なります。

 

 

全体の粗彫りを行い、概ねの表情を打ち出します。とても重要で一番荒々しく、清々しい工程です。

 

 

寸法のみで既定の椅子や机等を制作する事とは異なり、最初から数字と型だけを頼った制作では、「美しい能面に必要な表情と内面性」は生み出し難いです。

 

 

裏を打ちます。謡(うたい)の発声を妨げない演者の顔への当りをはじめ、心地良い重さとなるように検討・造形し、漆やカシューを塗ります。「表」同等、もしくは、それ以上に大事な工程です。

 

 

何度も研ぎ出しながら、良く練った胡粉(ごふん・貝殻の粉末)と膠(にかわ・動物性の接着剤)で数十回、様々な刷毛や筆を用いて真っ白に塗ります。

 

 

それぞれの面に合った色を天然鉱物から採取・加工された絵具で検討・調合し、何度も塗り重ねて面に奥行と陰影の色付けをし、髪・口・眼に墨と紅を差して完成です。

 

能面「猩々」

 

ものづくりは「スポーツ」と似ているので、脳と心と身体を活用します。手先はもちろんですが、心こそを動かし、脳を活用して様々なトレーニングにも成ります。

 

うつしの制作

 

江戸期の「猩々」のうつし。

 

猿面のうつし。

 

ご所有の面のうつし制作やご要望の面の制作等、ぜひご相談下さい。